このところ、絶滅危惧種とも言われている、非常に肩身が狭い専業主婦ですが、
- 専業主婦のなにが悪いの?
と思われている方、多いのではないでしょうか。
私は専業主婦したり、兼業主婦したりを繰り返しています。
でも、専業主婦だから誰かに迷惑をかけたとか、誰かを傷つけたとか、そんなことをした記憶はありません。
「絶滅危惧種なんだから、国が保護してくれたらいいのに!」という冗談はさておき、ここまで専業主婦が叩かれる理由がわかりません。
「何か悪いことしました?」と聞きたいのですが、聞く相手がわかりません。
仕方ないので、専業主婦について自力で調べました。
今回は、その結果について書いていきたいと思います。
ずばり、専業主婦の何が悪いのか
これだけは、最初にはっきりと書いておきたいと思います。
専業主婦、何も悪くないです!
本当に、微塵も悪くないです。
では、なぜこんなに専業主婦にあれこれ言ってくる人が多いのか。
それは、同じ主婦なら、あるいは、同じ女性なら、あるいは、同じ人なら、もっとこうしたら楽しいし、楽に生きられるんじゃないの?と、専業主婦とは別の生き方をオススメされているのです。
例えば、同じ100円払ってカップラーメンを買って食べるのと、同じ100円を払って玄米鮭おにぎり食べるのと、どちらがいいかを問われているようなものです。
カップラーメンは戦後の貧しい時代にできたもので、当時は栄養不足な人がたくさんいました。
そんな人達に、簡単に栄養補給ができるような食べ物ということで開発されたのです。
でも、今の時代、カップラーメンは栄養満点で身体に良いなんて言う人はいませんよね?
玄米は繊維質にビタミンもミネラルもあって、現時点で一番健康的な食事と言われている地中海食でも玄米が使われるほど、身体に良いと考えられている食材です。
また、鮭にはオメガ3という油が入っていて、血液はサラサラに、肌はしっとり、イライラも減って、脳にも良いと言われています。
どう考えても、カップラーメンと玄米鮭おにぎりを比べたら、玄米鮭おにぎりの方を選ぶ人が多いのではないでしょうか。
それと非常に良く似ているんですが、時代時代で人々の価値観は変化します。
そんな価値観の変化の1つが、専業主婦だというわけです。
専業主婦とパート主婦世帯の貧困層率
では、なぜ専業主婦は肩身が狭くなってしまったのでしょうか。
それは、周燕飛さんの「貧困専業主婦」に詳しく書かれていますが、こちらのインタビューがわかりやすいと思います。
スタートは、
- 専業主婦の世帯に貧困層がわずかに多い
ということです。
専業主婦の世帯だけではありません。
一度専業主婦になったことで低賃金が余儀なくされることで、
- パート主婦の世帯でも貧困層が増えている
のです。
ここで、専業主婦の人が、なぜ専業主婦をしているのかということですが、
- 子どものため
が一番多い回答だったそうです。
3歳までは母親が一緒にいることが子どもにとって良いことだ、あるいは、小さな子どもを保育園に預けるのは可愛そう、そういった思いから専業主婦を選んでいるようです。
おそらくですが周燕飛は、「夫の収入が低いにもかかわらず専業主婦を選ぶことで、より一層深刻な貧困が待ち受けている」ということをおっしゃりたいのだと思います。
これは、若い世代の方は専業主婦になった場合のリスクを知って欲しいという気持ちと、私のようにすでに若くない世代の方は老後資金が足りるかどうか確認した方がいいのではないですか?という提案と捉えるとわかりやすいです。
専業主婦と幸せの関係
もう1つ、「専業主婦は2億円損をする」の改訂版
- 2億円と専業主婦
から読み解いていきます。
この本の著者である橘玲さんは、
- 幸福の資本論
という考え方を提案されています。
具体的には、人には、金融資産、人的資本、社会資本の3つがあり、そのうち2つがあれば幸せになれるという内容です。
- 金融資産=お金 → 自由
- 人的資本=働く力→ 働く力
- 社会資本=絆 → 愛情・友情
この考え方でいくと、専業主婦には人的資本がないので、金融資産と社会資本がないと幸せになれません。
つまり、お金があって、家族や友達との絆があれば幸せになれるけど、お金もなく、家族や友達との絆がなければ、幸せになれないという理論です。
では、お金と絆があればいいのかというとそういうわけでもなく、専業主婦の場合、夫と離婚した時点で収入がなくなるわけですから、生活できるだけの資産を持っていることが条件になります。
つまり、お金というより資産を持っていることと、絆があればオッケーということです。
橘玲さんは、夫婦格差ができることを心配されているのだと思います。
それとは別に、経済的にも精神的にも自立した1人の人として生きることこそ、有意義な人生だと考えているのです。
世の中の流れと専業主婦
夫の収入が少ないのなら、その収入内で生活すればいいじゃない。
ごもっともです。
夫の収入が少ないのなら、妻も収入を得ることで増やせばいいじゃない。
ごもっともです。
夫の収入が少ないのなら、夫の収入が上がるよう夫を助けてあげればいいじゃない。
ごもっともです。
ホトトギスではありませんが、どの方法を取るのかは、本人の自由です。
ただここで注意したいのは、平等かどうかということです。
肌の色で差別をしてはいけません。
これは理解されている方多いと思います。
LGBTで差別をしてはいけません。
こちらも理解されている方多いと思います。
男性と女性で差別してはいけません。
こちらはどうでしょうか?
差別はしているつもりはないけれど、男性より女性の方が収入は少ないのは仕方がない。
そんな風に思っている方、多いのではないでしょうか。
さらに、夫は外で働き妻は家で専業主婦というのは、平等でしょうか。
残念ながら、平等ではないのです。
お金を稼ぐことは大変なことです。
夫婦であれば、特別な理由がない限り、お互いを助けるためにも共稼ぎをするのが「フェアである」ということになります。
だからといって、専業主婦でいることが悪いことではないんです。
夫婦のカタチはそれぞれの夫婦が決めるものですから、他人にとやかく言われる筋合いはありません。
ただ、たまたま、世の中の流れが男女平等へ動いている、そんな風に考えるとわかりやすいと思います。
専業主婦はどうすればいいのか?
最後に、専業主婦の世帯はどうすればいいのかということについて触れておこうと思います。
まず、私を含め、すでに専業主婦の方は、自分の人生について、よーく考える必要があると思います。
ここでは、橘玲さんが提案されている、
- お金
- 働く力
- 絆
の3点を基本に、別な軸として
- 健康
- 楽しみ
- 幸せ
などについても考えてみます。
1点目の老後のお金に関しては、とにもかくにも計算しましょう。
今後ますます状況は悪くなるはずなので、自分の家計が人生100歳まで生きるとして、破綻しないのかを確認するのです。
もし、自分で計算が難しいということであれば、専門家にお金を払ってでも計算してもらいましょう。
そのお金が捻出できない場合、専業主婦はやめてすぐに働きにでましょう。
2点目の働く力は、家族に万が一のことがあり、働かなければいけない状況になった時、それは可能ですか?
いくら今は専業主婦で問題なかったとしても、夫から離婚してほしいと言われたり、夫が亡くなることもあります。
危機管理はどんな人にも必要です。
3点目の絆に関しては、家族や友達と良い関係を築けているかを考えます。
他には、健康ですか?楽しみはありますか?幸せですか?
自分の心に何度も何度も聞いて確認します。
私も、あれこれ、ない頭を絞って考えました。
結論としては、フェアではないという部分が引っかかりまして、夫を助けるためにも、在宅ワークを真剣に考えることにしました。
10年以上前ですが、兼業主婦をしていた時はフリーランスで働いていたので、その時の働き方を復活させようと思っています。
最初は大きく稼げないと思うのですが、徐々に増えていくよう、頑張ろうと思っています。
というわけで、人生100年ありますから、まだ先は長いので、模索しつつ、時には方向転換をしつつ、自分の幸せのためにも、世の中が良くなるためにも、新しいことを吸収しながら、生きていかねばと思っております。