子なし夫婦のカタチ

少し前、卒婚という言葉をきき、そんな夫婦のカタチもあるのかとビックリしました!

ご存知ない方のために、卒婚は夫婦それぞれが自立して暮らすことを言います。
掃除や洗濯、食事の準備はすべて別々です。
暮らしは同居の場合もあれば、別居の場合もあって、別居の場合はたまに会ってデートをする方もおられるようです。

でも思い出したのです。
私も卒婚を知っていたら、卒婚夫婦になっていたかもしれなかったということを。

私は今、アメリカで子なし専業主婦をしています。
家事は週に2日も頑張れば家はピカピカになるので、残りに5日間は暇なわけです。

だから仕事をしたいと思って英語を勉強しました。
2年ほど学校に通って頑張ったのですが、まわりはほとんどが10代の子どもたちです。
もともと頭の良い子たちだったというのもあると思いますが、話しているとどんどん英語力があがっているのがわかります。
対する私は30代後半の脳みそで、もともと英語が不得意だったので、亀の歩みほどの上達スピードでした。
「そんなことないよ、頑張れ!」と言ってくれる友達はいましたが、明らかにムリゲーだったのです。

結局、週に2日は家事をして、残りの5日間は趣味の毎日になりました。

陶芸のクラスに参加したり、編み物をしたり、パッチワークのクラスへ行ったり、手当たりしだいに試していたのですが、1つ、どうしても嫌なことがありました。
それは、趣味の陶芸のクラスへ参加するにはお金が必要で、いちいち夫に許可をもらわないといけません。
夫がお金を使うことに文句を言わない人だとはわかっていても、夫が稼いだお金なので、許可をもらわずにはいられなかったのです。
それが、どうにもこうにも息苦しいのです。
趣味だけではありません。
夫のお金だから贅沢をしてはいけないような気持ちになり、できるだけ安い物を買うようになったのです。

人って不思議です。
こういう生活を続けていると、日々の家事をすることが、ただで雇われている家政婦のように思えてくるのです。
そして、このまま一生、夫のためだけに家事をするだけで自分の人生が終わるのかと思うと、とても虚しく思えてきました。

その時の私は、本当に最悪でした。
「私は一生あなたのご飯を作るだけの人生になってしまった」とか、「夫婦の会話がなければ私は単なる家政婦」とか、嫌味や文句ばかりの毎日です。
夫は何も悪くないのに夫に対して嫌味を言ってしまう自分が嫌で仕方がありませんでした。

しばらくすると、日本へ帰りたいと思いました。
日本へ帰って、どんな仕事でもいいからしたいと思いました。
でも夫は日本へ帰らないと言っていたので、私が日本へ帰るのなら、それは離婚を意味します。

このタイミングで、卒婚を知っていたならば、卒婚していたかもしれません。
でも卒婚を知らなかった私は、夫と離婚はしたくないと思っていたので、そのままアメリカでずっと我慢の生活を続けました。

その後、夫が家事を手伝ってくれるようになり、少し気が楽になりました。
あと、ネットで仕事できる仕組みがたくさん登場して、私はお小遣い稼ぎをするようになり、趣味のお金はなんとな自分で捻出できるようになったのです。
その2つが私の心を癒やしてくれ、今は離婚をしたいとはまったく思わなくなりました。

ただ、いまだのあのときの辛かった気持ちは心に刻まれていて、日本へ帰りたいのに帰れない状況を思い出すと悲しくなることもあります。
だから、またいつなんどき、日本へ帰りたいと思うかわからないのですが、でも、次にそんな気持ちになったときはとっとと卒婚して、お互いを見つめ直す時間を過ごすことができればと思っています。

卒婚という言葉を聞いて最初はびっくりしたけど、今は、いざというときは卒婚があると思えば、元気でいられるような気がしています。

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