このところ8050問題をはじめ中高年のひきこもりがよく話題になっていますが、そんな中、専業主婦について書かれている記事があり、「ふだんは家にいるが、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する」という項目に○がつくとひきこもりだと書かれているのを見つけました。私はふだん家にいます。そして自分の趣味に関する用事のときだけ外出します。もしかして、私ってひきこもりなのだろうかと心配になり、本当のところを調べてみることにしました。
見たのは、内閣府から平成31年3月に出された内閣府の資料で、「生活状況に関する調査 (平成30年度)」です。この中で引きこもりを定義するための質問は、「調査の結果」のQ19に書かれています。そしてQ19に対する回答がどのような状態だったら引きこもりに該当するのかは「定義」で解説されています。
そのQ19の質問内容は以下のようになっています。
- 本人票Q19 ふだんどのくらい外出しますか。(○はひとつだけ)
- 仕事や学校で平日は毎日外出する
- 仕事や学校で週に3~4日外出する
- 遊び等で頻繁に外出する
- 人づきあいのためにときどき外出する
- ふだんは家にいるが、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する
- ふだんは家にいるが、近所のコンビニなどには出かける
- 自室からは出るが、家からは出ない
- 自室からほとんど出ない
- 無回答
この中で
- 狭義のひきこもり=6、7、8に丸がつく人
- 準ひきこもり=5に丸がつく人
となっていて、
- 狭義のひきこもり+準ひきこもり=広義のひきこもり
になるようです。
ただ、これだけではひきこもりとは言えず、
- かつ、その状態になって6ヶ月以上経つ人
がひきこもりと定義されます。
ここでさらにただしが付きまして、
- 病気
- 妊娠、かつ最近6ヶ月間に家族以外の人と会話したことがある
- 介護・看護、かつ最近6ヶ月間に家族以外の人と会話したことがある
- 出産・育児、かつ最近6ヶ月間に家族以外の人と会話したことがある
- 専業主婦(主夫)・家事手伝い、かつ最近6ヶ月間に家族以外の人と会話したことがある
- 仕事のある人(勤めている、自営業・自由業)
はひきこもりに該当しません。
つまり、最近6ヶ月間に家族以外の人と会話したことがある人はひきこもりではないということになります。
最近6ヶ月間に家族意外の人と会話したことない方でも、病気の方、仕事のある方はひきこもりには該当しません。仕事は自営業者や自由業の方も含まれますので、在宅で仕事をされている方はもちろん、投資活動をされている方など、経済活動があればひきこもりではありません。
また、過去の調査で、専業主婦はカウントされていないと書かれている記事を読んだのですが、最新の資料では、
なお、今回の調査から、家族以外の人との会話の状況等を考慮し、ひきこもりに該当するかどうかを判断することとしたQ12、Q17、Q23で、「専業主婦・主夫」、「家事手伝い」、「家事をする、育児をする」等を記入した者での該当者は、47人中11人であった。
とあるので、カウントされていることがわかります。専業主婦もカウントされて61.3万人が広義のひきこもりであると結論づけています。
ひきこもりは、特別な理由がないにも関わらず「半年以上家族以外の人と会話がない」ことが目安で、経済的活動があれば、たとえひきこもりのような生活をしていても、ひきこもりではないということのようです。