31歳で不妊治療を諦めてからというもの、私は、どこへ行っても些細な言葉で傷つくようになっていました。
そのため、子あり主婦さんとは一定以上の距離を置いて付き合うようになり、子あり主婦さんが普段どんな気持ちで生活しているのかなんてことは、まったく考えませんでした。
心が傷つかないように、ひたすら自分を守ることばかり考えていたのです。
ところが、あることがきっかけで、子あり主婦さんに気を遣われていることがわかり、愕然としたのです。
今回は、そんな子なし主婦の私が、子あり主婦さんとの間にある、気遣いについて書こうと思います。
お互いに飲み込んでいた言葉
夫の生き甲斐は仕事です。
夫は今の会社に新卒で入社し、今年で20年目を迎えました。
夫の仕事環境が良くなるようにと、私は夫の異動に毎回文句を言わずについていきました。
ある日、子あり主婦さんと話しをしていたら、彼女がこんなことを言うのです。
- 私の夫は今の仕事を好きでやっているのではなく、お金にためと割りきって働いている
私は言葉には出しませんでしたが、心の中で
- 毎日8時間以上も拘束される仕事が好きでなかったら、さぞかし辛いだろうな
と思ったのです。
さらに、
- 私だったら、好きな仕事が見つかるまで、転職活動を続けることをすすめるな
とも。
ところが、その子あり主婦さんも飲み込んでいた言葉があったのです。
それは、
- 子供のために働くことが生き甲斐だから、仕事が好きかどうかは二の次
ということ。
私は、
- 夫の生き甲斐は仕事
とはっきりと言っていたけれど、その知人は、
- 夫の生き甲斐は子供
とは言えなかったのです。
子あり主婦さんも、色々と気を遣ってくれているのだと思ったできごとでした。
的はずれだった相槌
そんなことがあってからは、子あり主婦さんの言葉の裏を考えるようになりました。
大抵の小さな子どもを育てている子あり主婦さんは、
- 子供は産むのも育てるのも大変
と言います。
本当に子育てが大変だと思っている場合もありますが、
- それでも子供は可愛い
とか、
- それでも子育てはやり甲斐がある
と思っている方も実はとても多くいるのです。
とある子あり主婦さんが、子あり主婦さん同士の集まりでは、子育ては楽しいしやり甲斐があるとは決して言わないと話していました。
- 子育て=大変
という図式が当たり前で、
- 子育て=楽しい
という図式は余程親しい間柄でないと、言えないんだとか。
だから、子あり主婦さんと話しをすると、
- 子供は産むのも育てるのも大変
という人がいますが、実は全然違う可能性もあるということです。
子育ては大変なもの。
これって、当たり前のことだと思いますが、大変だからといって誰もが苦しんでいるわけではないんです。
大変だけれど、その大変だからこそそれを生き甲斐にできる人は、子育てを楽しんでいる。
でもそれをストレートに言うと、ママ友関係はうまくいかないこともあるようで。
なんとも難しい(^_^;)
結局、素っ気ない返事に
そんな気付きがあってからというもの、私の子あり主婦さんとの会話は変わりました。
「大変なんですねー」とか「色々ありますねー」という返事をやめて、「へー」とか「そうなんですかー」という返事のみにしました。
ところどころ、上手に質問は入れ込むけれど、子育てや子供のことについてのコメントは一切なし。
たまに、私が子供の立場だったら○○と言いたくなるんですが、これも言いません。
だって、その友達だって、自分が子供の頃は○○だったわけですから、それをあえて言う必要もないんです。
それに、問題は今発生しているのであって、私が子供の頃はもう何十年も前のことですから、なーんの参考にもなりません(笑)
まとめ
子供ができないことで心が敏感になり、傷つくことが増えたので、子供のいる人たちが、子供をどれだけ可愛いと思っているかを、まったく理解できませんでした。
理解しないことで、自分の心が傷つかないように防御していたともいえるでしょう。
でも、少なくとも、気を使って言葉を飲み込んでくれるような、そんな子あり主婦さんのことは、理解したいと思えるようになってきました。
いつも、子あり主婦さんからは逃げてばかりでしたが、ちょっとだけ、前向きな気持になりつつあります。